カメレオンやコノハムシなど、身を隠す生き物は多種多様に存在します。
敵からの発見を1秒でも遅らせられればその間に逃げることも襲いかかることもできて非常に便利ですね。
しかし、やられる側はたまったものではありません。
ゲーム制作においては適切な背景美術ができていないと意図せず迷彩効果を生んでしまい、プレイヤーに余計なストレスを与えてしまうことがあります。
今回は遠近感の表現方法についていくつかの例を用意しました。
こちらは遠近感がうまくいっているゲームのイメージです。(2D横スクロールを想定しています)
当たり判定を持つブロック、装飾用のすり抜けるブロック、背景画像がそれぞれ別の奥行きに存在しているため、見やすくなっています。
こちらは遠近感が破綻した場合のイメージ。
ブロックの当たり判定が直感で分かりにくくなっている他、アイテムと背景が混ざりあってしまっています。
これでは快適なゲームプレイはできませんし、ゲーム性を高めるための制約でもありません。純粋なストレス。
しかし、ゲーム上では平面の絵を重ねるしか手段がありません。どのようにして奥行きを表現できるのでしょうか。
この画像の遠近感を調節します。
現在は全ての要素が同じ奥行きに見えてしまい、とても見づらくなっていますね。
イラスト向けの講座を複数読み、遠近感を表現するための法則をいくつかまとめました。
・彩度が落ちる
・コントラストが落ちる
・色の階調が少なくなる(ベタ塗りの面積が増える/ポスタリゼーション)
・色相が青に寄る
・ぼやける
遠くに見せるなら単純に色を暗くするだけ……ではないようです。むしろ結果的に白くなる傾向にあります。
特に、色相を青に寄せるといったテクニックは意外だったと思います。
先の画像にこの法則を当てはめてみました。アイテムがハッキリと見えるようになりましたね。
おまけとして、一番上の装飾用ブロックは影のベタ塗りにしています。。
装飾用ブロックは階調を1段階下げ、遠景の山は階調を2段階下げたうえに彩度やコントラストも落としています。
遠くにあるものほど上記の法則が強く出るため、この加減によって細かい奥行きの差を表現しています。
また、どの要素を強めにするかの配分も人によって個性が出そうです。
このようなテクニックは「空気遠近法」など適切な単語で検索すればたくさんの情報が有料・無料問わず見つかります。
背景画像は継ぎ目なくループさせる必要があるためパースは取り入れられませんが、逆に言えばそれ以外の全部は応用できるでしょう。
また、このような予備知識がある状態で既存のゲームを観察することで、より実践的に技を吸収することができます。
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記事内の内容と被っている可能性もありますが、一つのゲームに題材を絞ってより具体的に考えたことをまとめました。活動応援をよろしくお願いします。
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