キャラクターは生きている(前編)

キャラクターは生きている(前編)

今回の記事について

前回の記事では、主人公2人のキャラクターデザインが完成するまでの話を書かせていただきました。今回の記事は「キャラクターは生きている」を表題に「ヒサとヨミ」のシナリオにおけるキャラクター設定や動かし方についてお話ししていきます。
キャラクターデザイン制作の第二部だと思って読んでいただければ幸いです。

なお、書いているうちに内容が多くなり過ぎてしまったと感じたため、今回は前後編でお送りします。

目次

目次

①我々はキャラクターを理解しているのか?
②キーワードは『人助け』
③最大の謎
④自分たちのキャラクターなのに……
⭐︎おまけ
(続きは後編)

①我々はキャラクターを理解しているのか?

みなさんは自分のつくったキャラクターについてどれくらい理解していますか?
シナリオのあるゲームでは、キャラクターの性格や性質、設定を考えることは必要不可欠です。しかし、案外そのキャラクターがどんな性格なのか、理解しないまま制作を続けている場合も多いのではないでしょうか。
「ヒサとヨミ」も実はそうでした。
……いえ、もしかすると今もよくわかっていないかもしれません。

②キーワードは『人助け』

私がにせさんからゲーム作りのお話をいただいた時、2人に関する設定は『人助け』というキーワードと、それにまつわるいくつかのエピーソードの断片だけでした。この『人助け』という大切な要素は「ヒサとヨミ」本編でバッチリ生きていくことになるのですが、それ以外は全て、シナリオ担当の手に委ねられたわけです。

エピソードの断片はいわば全体の見えないパズルのピースです。しかもそのパズルの完成図をどれくらいの大きさで、どんな絵にするかも全てはシナリオ担当次第、自由に考えることが許されたいました。これほどやりがいのある仕事もなかなかないでしょう。

キャラクターの性格を類推する作業が何度も何度も繰り返され、徐々に2人の良さを活かすのに適した舞台ができてきました。
いよいよヒサとヨミを物語の中へ、作られたシナリオのラインに載せる時がやってきました。

②最大の謎

最初は本当に手探りで、物語の構成を考えてはにせさんと話し合い、スクラップ&ビルド……シナリオは2回書き直しました。とはいえ、初期段階でシナリオやストーリーについて十分に話し合っておいた結果、制作全体としては順調に進めていくことができました。

『永遠、水鏡の塔、人助け、2人の魔法使い』

これらのキーワードから物語の図案を考え、絨毯を織り上げていくように第1章のシナリオができあがりました。また同時にグラフィックの制作も始まりました。

しかしここにきて我々は大きな問題に直面することになりました。
……そう、それは、ゲーム自体の制作が始まってもなお、ずっと、ずーっとわからなかった、唯一の謎……

 

……

主人公の一人である「ヒサ」のことです。

④自分たちのキャラクターなのに……

「ヨミ」は早い段階からキャラクター性が確立されていました。それにひきかえ「ヒサ」ときたら……!
いったい何を考えているのか? 何を願い、目的にしているのか?
皆目見当もつかない、つかみどころのないキャラクターだったのです! 

もちろん「ヒサ」の性格設定は、制作の最初期からできあがっていました。
ところが、いざシナリオのラインにのせてみると「ヒサ」の考えていることや行動原理がわからなくなってしまったのです。

「ヒサ」がどんなキャラクターなのか。それはにせさんにも、私にもわかりません。
我々の手によって生み出されたキャラクターは、まだその性格を、制作者である私たちにさえ見せてくれなかったのです……

(後編に続く)

⭐️おまけ

前編はここまでです。
2夜連続更新の予定ですので、後編もぜひ、ゲームのPVでもご覧になりながらお待ちしていただけたら幸いです。

実は先日「ヒサとヨミ」のPVを公開いたしました!
以下のリンク(YouTube)でご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。

YouTube→https://youtu.be/avazskAbo2k?si=R7uLnA9UxUC45RDJ

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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