
はあい、どうももぐらでーす!
フリーゲーム実況者という、稀有なジョブにつかせて頂いております。
全く持ってこの世界を救う可能性はゼロに等しいジョブなわけですが、こんなジョブに好んで就こうと思う愚か者が生まれてしまうぐらいには、最近のゲーム実況文化の浸透はすさまじいと感じております。ベテランゲーム実況者の方々が好んでフリーゲームをプレイするだけではなく、ゲーム投稿サイト側にもゲーム実況に配慮した機能が搭載されたりしています。
例えば、ノベルゲームコレクションというサイトでは掲載されるゲームに実況の可否を求められるようになり、一目でゲーム実況ができるか否かを判別することができるようになりました。おおよそのプレイ時間も確認できますし、検索もできるので、実況したいゲームの長さを気分に合わせて選びやすくなりました。めちゃめちゃ使いやすい。
このような環境、実況者としては非常にありがたいなあと思いつつ、逆にゲーム実況の敷居が下がったことによるトラブルも頻繁にTwitterのタイムラインに流れてきます。
「せっかく作ったキャラクターをそんな風にいじってほしくなかった」
「不具合やバグを必要以上に笑われた」
「Readmeで配信しないでほしいと言われた部分をプレイされてしまった」
などなど、非常に多種多様なトラブルを見かけてきました。フリーゲーム実況者というジョブはいわゆる魔法戦士のような器用貧乏なキャラで、「ゲーム制作者の気持ち」も、「ゲーム実況者の気持ち」もトレースしてしまうので、このようなトラブルが発生したときは何とも複雑な気分になるものです。
もちろん当事者間で穏便に終わらせられれば良い、というかそもそもトラブルが起きないように不明点があれば当事者同士で会話をしておければよいのでしょうが、人間がそんなに上手くできていたら今頃火星に移住できるほど文明は発達していたはずです。
「まーたReadme読んでないんかーい」
っていうあからさまなバカの所業でトラブっているのであれば、実況者側に盛大なツッコミをすることができます。その場合は実況者側が非を認めるケースが多いので、さほどタイムラインがお祭りになることはありません。タイムラインが盛大なねぶた祭り状態になるのは往々にして「グレー」な時が多い印象があります。
制作者が意図していないようなプレイのされ方をしてしまった、制作者の方が不愉快に感じられるような言動を発してしまった、などReadmeや概要欄などからは読み取るのは困難な「線引き」を超えてしまったケースは、非常に判断が難しくなります。
両者も自分なりの言い分があり、第三者目線からしてみても「どっちの言い分もまあわからんでもないけど、、、どっちかというならこっちかなあ。。。」となることが多いです。
そして、トラブっている人との親密度、自らのポジション、「どっちかというとこっち!」という「なんとなく」な理由付けを闇鍋で煮込んだツイートを第三者がタイムラインでバシバシ流すことによって宴会状態になるというわけですね。
フリーゲームは、実況するにあたっては極めてセンシティブなコンテンツだと考えています。
なぜなら、個人製作のゲームにコメントをするということは、間接的にその制作した「個人」に対してコメントをするということになるからですね。ピクミンに対するコメントなら任天堂の社員全体で受け止めればよいのですが、フリーゲームだと実況者のコメントを個人で受け止めないといけないわけです。
「個人の努力や思い」に対して、我々フリーゲーム実況者はタイマンで殴り込みに行っちゃうんですね。
こっちは別に呼ばれてもないのに。
そんなセンシティブなジョブを選んでしまったもぐらですが、もちろん炎上したくはありません。
名が挙がるのであれば、親や子供にも胸張って自慢できる形で栄光をつかみ取りたいものです。「Readme読まなくて炎上したんだよねえ」って未来の娘に告白したら、その日からパンツを一緒の洗濯機で洗うことを許してはくれなくなるでしょう。なので、なるべく注意を払ってフリーゲーム実況を楽しんでおります。
その一つのマイルールが、「なるべく配信をしない」ということです。
もぐらのチャンネルを知っている人は、知っていると思いますが、何か記念がある時以外は配信をしません。統計を取っているわけではないのであくまでも感覚値ですが、トラブルは特に「配信」で多く見られるような気がしているからです。
ゲーム配信者の方は「その瞬間」を盛り上げるために全力を尽くします。視聴者の方々が楽しんでもらえるように、ゲームを人一倍楽しくプレイしている姿を見せながら、視聴者の方との双方向のコミュニケーションを上手くさばいています。
見ている側は「ぎゃははは!」と脳を停止させながら笑っている一方で、配信者の方はマルチコア脳みそをフル活用して配信を回しているわけです。これを世間では「ライブ・ダブルスタンダード現象」と呼んでたり呼んでなかったりします。
「キャラやストーリーを大げさにいじる」
「実況はそっちのけで視聴者のコメントを優先的に拾ってしまう」
「想定していないキャラの動かし方をする」
上記全て、ゲーム実況者目線からしてみたら、「わかる」行動なのです。配信を盛り上げるために、面白いことをしよう、話そうと思うと、飛び道具を使いたくなってしまいます。
ただ、飛び道具は往々にしてゲーム制作者の方が超えてほしくない線を反復横跳びしてしまうきっかけになる場合があります。配信者としては「配信を盛り上げる=ゲームを盛り上げる」ためにやっているのに、なぜかそれがトラブルの火種になってしまった、そういう気持ちになるのではないかと思います。
ただでさえ配信を盛り上げること自体が難しいことなのに、
「線引きを超えないように言葉を選びながら、配信を盛り上げる。しかも失言したら最後、リトライはない」
というのは、ゴスロリヤンデレ女子と付き合った時ぐらい求められるものが多いのです。選択肢を間違えたら監禁エンドに突入してしまうような緊張感があると、もぐらには感じてしまうわけです。
私、もぐら、なるべく長命な実況者になりたいと思っているのですが、残念なことに口が悪いんですね。
日頃激務でストレスが溜まっているのか、ゲームプレイしているときのリアクションなどはどうしてもボロ雑巾のような単語が出てくる時があります。もちろん、ゲーム制作者の方々に対するリスペクトを持ちながら実況はしておりますが、それこそたまに「うーん、これは人によっては傷つくかもな。。。」という発言を実況した後に懺悔することがあります。
そんなこと最初から言わなければいいのに、って思うかもしれませんが、言っちゃいたくなったら言っちゃうんですよね。人間だもの。
配信なら、その過去を取り消すことはできません。
厳密には配信後にアーカイブは消せますが、失言によって発生した火種は消せません。
でもあら不思議。
動画なら、やべえ発言をなかったことに出来てしまうのです!
カットして、削除するだけ。なんて簡単なんでしょう!
つまり過去改変が可能ということです。エルプサイコングルゥ。
編集が挟むので、そもそも自分が何を発言したか振り返れて、「ヤバいかも」という部分を気付く機会があるというのも、ポイントですね。そもそも「First Take」できるというのが選ばれしものなんじゃないかと思うわけです。
加えて、時折「ビックリするぐらい自分に合わないゲーム」というのもあったりするのです。もう何をどうしても実況する言葉が出てこない、プレイしてもどうしても面白くない、そういうのもごくたまにあるのです。
例えば想像してほしいのが、自分がとあるゲーム制作者に転生したとして「ちょっとこのゲーム、自分には合わないから配信やめて他のゲームやるわ」って配信中に配信者に言われたらどう感じますか。メシアの方々なら「そうかい、そうかい」って穏やかな笑顔で配信者を見送るかもしれませんが、もぐらだったら確実に「ピキーッ!」ときますね。
ゲームが合う合わないの問題は正直仕方ないことだとは理解しつつ、間接的に「お前のゲーム面白くないわ」って言われている気がしませんか。じゃあ、最初からやんなよって思うのは、もぐらだけでしょうか。
自分が楽しくプレイ出来て、かつ製作者の方にも気持ちよく見てもらえるような実況がしたい、口の悪い小心者のおっさんでもゲーム実況者として長生きできるよう、トヨタ自動車の債権ぐらいにリスクを小さくしたい。
そう考えた結果、作成して、確認して、「ヨシ!」って安心してから出す。
というマイルールに行きついたというわけですね。
もちろん、もぐらのやり方が唯一解と思っているわけではありません。
しっかりと節度を守って実況配信をし、視聴者の皆さんやゲーム制作者の方々とフリーゲームを楽しむ、これ以上に素晴らしいことはありません。フリーゲームという特性を振り返りつつ、少しでもフリーゲームを配信する側の気持ち、配信される側の気持ちについて皆さんに考えるきっかけを提供できたのであれば幸いです。
世界平和万歳!
では、また気が向いたらコラム書くかも!
以上もぐらでした!
コメント
コメント ( 1 )
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えっフリーゲーム実況者って世界救えないんですか…?
すごく興味深いコラムでした!もぐらさんの活動への誠実さを感じます。
私は配信でやっているので実際映える反応とクリエイターへの伝わり方とのバランスやチャット欄の対応は悩むこともあるので、動画の方がいいかなと思うこともあるのですが、現実問題なかなか時間とれないのもあってうまく考えながらやっていこうと思います。