前書き
今年もウディコンが開かれましたね。
RPGを中心に俺も20作品ほど遊びました。
その中で、いくつかいいなと思った作品を紹介します。
※一応注意
・良いと感じた作品の紹介なので基本的に良い面の記載が多いですが、悪いと感じた面もがっつり記載しています。
・俺は自由度と分かり易さのバランスに特にうるさいです。
『Forcelagoon2 因果律の少女』
長編RPGですね。
OPで主人公の父親が敵にやられてしまうという割とショッキングな事件が起きるのだが、父親がキャラ的にあまり重要なポジションに居ないのであっさりと済まされる。
謎の敵が現れ伏線が色々と登場するのだが、物事への影響を示す描写がなく、それらの伏線が現れたから…だからどうなるんだろう?といったことまでは開始時は分からない。
キャラの動きやBGM切り替えなど、演出面にちょっと粗もあり、その辺で没入感を削いでいるのも手伝ってか、序盤の引きこみがかなり弱い印象を受けた。
が、ここは寛容な心で見て、どうかプレイを続けてほしい。
道中で魅力的なキャラがぽつぽつと出始め、それらに感情が乗って来てからが面白い。
イメージし難かった伏線も次第に鮮明になっていき、それらが世界にどの程度の影響を及ぼすものかが分かり始めてからキャラの台詞にも脂がのってきて加速度的に面白くなる。
特に主人公が過去に戻り真相を知るシーン辺りは熱かった。
戦闘面はというと、これも序盤が少し引きが弱いかな。
装備とPTメンバー入れ替えでPTの個性を持たせられるんだが、序盤は特にメンバー、装備品が少なめ。
終盤でもそれほど多いとは言えないけども、個性を持たせるには充分な量といった感じ。
戦闘難易度は優しめなので、熱い物語を戦闘が邪魔してストレスになるといったことはなく、よっぽど下手な組み合わせをしなければ自分の考えた組み合わせでストレスなく進めるんじゃないかと思う。
ただ、シンプルな仕組みで分かり易いのは凄く好きなんだが、シンプルなのは飽きられるのが早い欠点も持ち合わせているので、長編とシンプルな仕組みはやり方に結構工夫が必要だったりする。
実際、後半は組み合わせのセオリーが分かってしまい難易度が下がってヌルゲー化してしまったので、PT編成の試行錯誤はそこで終わってしまったかな。
まぁ、俺個人としては、ボタンおしっぱでガンガン進めるのが好きなので、大きく気になったって訳でもないかも。
「いい組み合わせ見つけちゃったぜ。」くらいな気持ちで楽しめた。
あと繰り返しになるけども、もう一回。
物語面も戦闘面も序盤は引きが弱いけども中盤から面白くなってくるので、序盤でやめずに4,5時間ほど続けてみてほしい。
▼作品ページ
https://www.silversecond.com/WolfRPGEditor/Contest/result15.shtml#4
『不屈のスペラ』
デッキ構築型のカードゲームですね。
すごろく上のマス目を、進行方向を選択しながら1マスずつ進めて行く、ロマサガ(リユニバース)のバトルヒストリアのようなシステム。
終点や中間にはボスが待ち構えているので、道中で体力を温存するのか、それとも血税(HP)を払ってでもデッキを強化していくのかの選択を迫られる。
どう進むかはプレイヤーの腕の見せどころか。
ゲームの仕組みも単純で分かり易く、カードごとのシナジーもあって考え甲斐があるのが良い。
あと、下位互換、上位互換のカードが存在するが、このゲームは1ゲームごとにデッキがリセットされるため、根性で高レアを集めるだけのゲームにはなっていなく、むしろその上位互換があるからこそ、道中にリスクを払ってデッキ強化するかどうかの進め方の選択肢が生まれて良い。
良く有り勝ちな、「ガチャしてとりま高レア取っておけば強い」みたいなことにはならないので、ちゃんと戦略重視のカードゲームとして遊べる。
ただ、回復系のカードは脳死でとりあえず数枚入れておくのが吉。
これはデッキ構築の組み合わせ云々の前に、単体でも単純に強力に感じたので少し減点要素かも。
その他、特によく出来ていると感じたのはチュートリアル。
前の記事で公式証明のあとは理解定着の演習問題が必要ですよね!と書いたのだが、それが出来ている数少ない作品。
独自のルールを用いた戦闘だがすんなりとゲームに入っていけて遊びやすかった。
▼作品ページ
https://www.silversecond.com/WolfRPGEditor/Contest/result15.shtml#12
『「財宝竜と四騎士」The sunset and breaking dawn King』
短編RPGですね。
デフォシステムで取っ掛かりが良く、大きなバグもなく、難易度もややぬるめで遊びやすかったです。
バグとしては騎士の装備品を外すと再度つけられないバグがあったので、そこは不便でしたかね。
このゲームは何と言っても遊びやすい。それに尽きるかなと。
創意工夫の余地があったり、演出が凝ってたりとか、そういった何か大きく目を引くものがあるわけでもないんだけども、RPGに基本的に備わっている良さを邪魔する要素がほとんどなく、RPGの基本的な要素が楽しめる。
LVを上げる、お金を貯める、ステータス画面で数値上での成長の確認、倒せなかった敵が倒せるようになる成長の実感、よい戦闘方法を思いつけば雑魚専が楽に進めるようになる適応の実感。
狙ってやったかは知らないが、そういった、ゲーム内キャラの成長やプレイヤーの適応(成長)を快適に実感できるようシステムの複雑さや戦闘の難易度を設計・調整されているのが非常に良い。
複雑なシステムや難易度でこれらを邪魔している作品が多い中、本作はそんなことは全くない。(褒めてる)
また、シンプルな仕組みは短編との相性もいい。
飽きる頃に作品が終わるのでダレることもない。
1時間ちょっとの作品なので集中してサクッと快適にプレイできる。
▼作品ページ
https://www.silversecond.com/WolfRPGEditor/Contest/result15.shtml#50
『ウラミコドク』
推理とRPGが合体したような作品。
序盤の掴みが非常にいい。
OP開始直後、ほのぼのとした会話からスタートした時は「面倒くさいなー」くらいに思っていたが、その後場面は変わり、急に始まるデスゲーム。
「今から"コロシアイ"をやってもらいます」
はい、序盤の掴み完璧!
この掴みには美しさすら感じる。完璧です!
個人的に、これが評価の4割はあるかもしれない。
ただ、申し訳ないんだけども、中盤以降は飽きてきたかな。
デスゲームもパターン化してきて先の展開が読めてきだしたし、最後のどんでん返しはあったんだけども、そのための説明や設定が複雑で追っていくのが結構面倒臭くなってきた。
また、正直なところ、RPGはあってないようなもの。
最後にちょろっとやればそれでエンドには問題ない。
RPG必要ありましたかね?
戦闘の難易度が高いのも相まってRPGはなかった方がいいように感じている。
とはいえ、途中までは間違いなくのめり込んでプレイしていたので、是非触ってみてほしい作品。
あと、某掲示板ではパクリパクリと言われているがそれについても少し。
流行っている(周りに求められている)うちは、それを提供する存在が必要。これは需要と供給の話。
他人が苦労して生み出したものを簡単に持っていくのはどうなのか?というのは倫理の話。
法や規約に触れるかと言われればそんなこともな…いよね?(あんま調べてない)
そうなら、どっちの話をどのくらい評価するのか明確な線引きもないので、もうこれは個人の感覚に寄るのかな?
俺の感覚としては周りに受け入れられているうちはパクればよいかと。
パクリも過度になれば飽きられるのでね。タピオカミルクティーとかと同じ感覚で捉えてる。
▼作品ページ
https://www.silversecond.com/WolfRPGEditor/Contest/result15.shtml#15
『未来よ心のままに』
独自のシステムが光るRPG。
惜しい点も感じるが、良い点も感じた。
惜しい点としては、説明量の多さ。
前記事に書いたので細かくは端折るが、慣れるまでの導入が不足気味かな。
ただ、慣れてしまえば、よく出来ていると感心する。
5マスで構成されたスロットが3つあり、各スロットのマスを塗りつぶすほど有利になるという仕組みだが、スロット3つの中から塗りつぶすものを選択できる点だったり、操れるキャラが2人いる点だったりで戦闘中の行動に自由度が設けられている。
それ故、どう育てるかを行動と結びつけて考える余地が生まれ、育成に楽しみが生まれる。
この行動にはあの能力があれば有利だからこう育てよう、ここでこの行動をさせたいからああ育てよう…と、要は色々なパターンを考えて試せる。
そして、その色んなパターンを試せるように成長値はいつでも自在に割り振り可能。
この組み合わせが非常によく出来ているなと感じた。
この作者さん、ウディコンには良く参加されてるので俺も過去作品を何回かプレイさせてもらってまして、で、非常に失礼なんですけどもあまり良い印象は持っていませんでした。
色々こだわって作ってるのは感じるけども、相乗効果が見当たらないというか、あるシステムがあるシステムの良さを食いつぶして、システム同士で面白さを殺し合ってるなーという感じが強かったんですよね。
でも、今作は普通に面白かったです。
上述した通り、システム同士で面白さに相乗効果が生まれていて、よく出来ていると感じました。
▼作品ページ
https://www.silversecond.com/WolfRPGEditor/Contest/result15.shtml#47
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